スタック&チルトとスクエアスイングの考察(頚反射と腰反射)

頚反射腰反射という姿勢性の生体反射(倒れないための身体の反射)
があるのですが、テイクバックからトップにかけての動きで重要な反応です。
頚反射はインパクトのイメージとスキャプラプレーンでお話しました。顔を左に向けると左手と左脚が伸びやすくなり、右手と右脚は曲げやすくなるという姿勢反射です。(頭を固定して左肩を右にひねることで起こります)
股関節を入れていない姿勢(骨盤後傾)では下半身と上半身が連動するため、頭を右に移動させながらテイクバックする必要が出てきます。身体の中心軸が右に移動してしまうのです。またボールを見るために頸部がよりひねられるため、下半身にも頚反射がおこりやすくなると考えられます。左手は伸び、右手は曲がり、左足は伸び、右足は曲がります。下半身の動きは右足重心になります。・・・いわゆる右足重心のスイングです。
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スタック&チルトをはじめとする左足重心のスイングで股関節入って(骨盤前傾)いれば、頭を動かさずに身体がひねりやすくなるため(頸部にストレスが少ない)、腰反射が働きやすくなります
上半身を右に回旋すると、回旋した右側の上半身で右肘が曲がり、右足が伸びやすくなります。左側では左腕が伸びやすく、左足(膝など)が曲がりやすくなります
スタック&チルトで右足を伸ばしながらクラブを上げる・・・という表現はこれにあたります。
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「右足重心で頭を右に動かしてテイクバック」・・・頚反射有利の下半身
「左足重心で頭を固定してテイクバック」・・・腰反射有利の下半身

この二つの理論は、反射の利用の仕方でも身体の使い方が分かれると考えられます。
どちらの反射を利用しても動けますが、「頭(軸)を固定して身体をひねる」には腰反射の利用が欠かせません
股関節から前傾していなくて、頭を固定してテイクバックすると、腰反射が強く出て、ヒールアップ(左膝が曲がる)し、右足が伸びやすくなるのもこの理由によるものと考えられます。(写真上)
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池田勇太選手は骨盤が後傾し、股関節が入っていない形でアドレスするので身体が回旋しにくくなります。その状態で頭を固定してテイクバックするために腰反射が下半身に強く出て、左足が曲がり、ヒールアップし、右足が伸びたトップをしています。

タイガーウッズ選手はもともと股関節から前傾し頭を固定して身体を回旋しやすい状態のためヒールアップしないで腰反射が起こっています

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非対称性緊張性頚反射(A.T.N.R)・・・顔の向き
頭部と体幹のねじれとの関係から起こる反射
頭と頚の位置関係(ねじれ)が頚椎の上部の関節、靭帯の受容器と頚筋の筋紡錘によって姿勢反射が起こる。頚部を一側に向けるとその側の前肢と後肢が伸展し対側の肢は屈曲する。
顔を左に向けると左手と左脚が伸びやすくなり、右手と右脚は曲げやすくなる。(フェンシング姿勢)

緊張性腰反射(Tonic lumbar reflex)・・・股関節から上の回旋
上半身を回旋すると、回旋側上肢で屈曲・下肢伸展、反対側で上肢伸展・下肢屈曲する。
(テイクバック時には右腕は屈曲、右脚は伸展 左腕は伸展、左脚は屈曲)

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by s-onisi-seikotuin | 2012-11-03 20:51 | スクエアスイング | Comments(6)  

Commented by スイングメカニック at 2015-03-21 20:43 x
何卒、御指導願います。

「ゴルフスイングを考える視点が同じ」とのお返事いただきありがとうございます。

1点お伺いしたいことがございます。
テークバックからトップにかけての上肢の動作について、
先生は、緊張性頚反射(ATNR)との見解をお持ちですが、
なにか確証できる知見やデータをお持ちでしょうか?
可能でしたら、お教えいただきたく存じます。

私もATNRではないかと仮説を立て、検証したことがあります。ATNRというと、野球の外野手のジャンピングキャッチやフェンシング・弓道のフォームが知られています。
以前、ゴルフが趣味の神経学専攻の方と話したことがありますが、その方は弓道のフォームはATNRではないというご意見でした。
反射と定義するには、随意性が関与する余地の有無が判断基準とおっしゃっていました。
チンバックはどう考えるか、アニカ・ソレンスタムやD・デュバルのルック・アップはどう考えるか?その方と議論したことを思い出します。

現在の私の見解は、いわゆる「押手」「引手」の体さばきと同じ関節の形状と関与する筋肉によるものと考えています。
「押手」は肩甲骨外転・肩関節内旋により上腕三頭筋優位となり肘関節は伸展。例はボクシングのストレートパンチの形。
「引手」は肩甲骨内転・肩関節外旋により上腕二頭筋優位となり肘関節は屈曲。例は綱を引っ張るときの形。
肩甲骨の位置が変わることにより、肩甲下筋・大円筋・棘下筋・小円筋などの筋が影響を受け、肩関節が外旋・内旋になると考えています。

これからもゴルフスイングのメカニズム解明に向け、お互い切磋琢磨していけたらうれしく思います。
何卒よろしくお願い申し上げます。



Commented by s-onisi-seikotuin at 2015-03-23 23:10
スイングメカニックさん、コメント有り難うございます。
最近、私用で忙しく、ご返事が遅れました。

>テークバックからトップにかけての上肢の動作について、
先生は、緊張性頚反射(ATNR)との見解をお持ちですが、
なにか確証できる知見やデータをお持ちでしょうか?

データはありませんが、ゴルフをやったことのない初心者(野球などの類似スポーツも未経験)にグリップを教え、地面にあるボールを見つめながらテイクバックをしてもらうと、ほとんどの人が同じ運動動作になります。
これは、以前にゴルフ未経験者のヘッドスピードを計測した時に感じたことです。
右打ちの人は左上腕伸展(肘は曲がりますが)、右肘屈曲、左脚伸展、右脚屈曲になります。
頭を固定しないでテイクバックすると、より特徴が出てきます。
これは、姿勢制御のための反射だと考えられますよね。
練習を重ねると、より洗練された動作に変わっていくのだと考えています。
昔の樋口久子プロなどのフォームがこれに近いように思います。

ヒールアップ動作は骨盤後傾の人で、頭を固定し、右脚に体重をかけてテイクバックするとでやすく、左1軸で最初から最後まで左脚重心でテイクバックすると左脚屈曲、右脚伸展がでやすくなります。

どこから腰反射が優先してくるのかはわかりませんが、この二つの反射がゴルフスイングに絡んでいると推測しています。
また、ご意見をお願いします。
「押手」「引手」の考えは同感です。それが無いと右肘がたためず、肘頭が外を向き上腕のベクトルと体のベクトルが一致しにくくなります。
また肩甲骨の動きでは前鋸筋も大切です。

お答えになっているのかどうかわかりませんが、如何でしょうか?
Commented by スイングメカニック at 2015-03-24 12:52 x
お返事ありがとうございます。

先生がおっしゃるとおり、未経験者がどのような動作を示すかを検証することは、大変意義あることだと思います。

人間は、反復練習する過程でその動作を脳が記憶し、そのうち欲が出て余計な?動作をしてしまうものですね。
ゴルフを難しくしているのは、もしかしたら人間の欲なのかもしれませんね。哲学的になってしまってスミマセン!

先生は、スタック&チルトも研究されているようなので質問させてください。

スタック&チルトのテイクバックの動作は、いわゆる「カップリング・モーション」または「フライエットの法則」のタイプⅠをうまく利用した動きであると、私は判断しています。先生はいかがお考えでしょうか?

従来のスイング理論では、脊柱の側屈に関して不良動作のような見方をする方が多く、身体構造上脊柱の回旋と側屈は自然に起こることだといくら説明しても理解してもらえないことが多かったのです。

ご意見伺えれば幸いです。
Commented by s-onisi-seikotuin at 2015-03-25 22:20
フライエットの法則、タイプ1・・・ですね。

確かに胸椎の部分ではそういう動きになっているのかもしれません。
頭を固定してテイクバックするには、スタック&チルトのイメージがわかりやすいですね。
「左肩を下げてテイクバック」というイメージが日本では理解されず、「肩の水平回転でテイクバック」がよく使われていました。
肩の水平回転、もしくは右肩が下がるようなテイクバックでは「フライエットの法則」でいくと逆モーションになり胸椎の回旋が難しくなりますね。
それで腰も捻る動作を入れる→ヒールアップ→右への体重移動
につながっていくように思います。

私は股関節からの前傾アドレスで腰椎を固定し、股関節と胸椎の回旋でテイクバックするのが効率的でシンプルな動作になると考えています。

いかがでしょうか?
Commented by スイングメカニック at 2015-03-26 20:56 x
先生がおっしゃる、「股関節からの前傾アドレスで腰椎を固定し、股関節と胸椎の回旋でテイクバックする」に同感です。

現在私は、切り返しのときに起こる、骨盤傾斜が変化する現象、ペルビック・チルト・チェンジの考察を行っています。
トップまで維持していた骨盤前傾が、切り返し以降中立(中間位)に変化します。適正な運動連鎖をしていると起こります。
しかし、骨盤が後傾してしまうと右足に重心が残り、インパクトで体が開きやすくなります。インパクトまで骨盤前傾を維持しようとすると、ポーラクリーマーのように肩の回転が縦に近い(スイングプレーンが縦になる)現象が起こります。

もしかすると、このペルビック・チルトの変化のタイミングと先生がおっしゃる腰反射優位のタイミングと何か関係があるのかもしれませんね?骨盤前傾角度の変化と反射の関係、かなり専門的ですが・・・

なにか進展がありましたら、ご報告します。
Commented by s-onisi-seikotuin at 2015-03-26 23:14
ペルビック・チルト・チェンジ
確かにマニアックな話題になってきましたね(笑)

トップまで維持していた骨盤前傾が、切り返し以降中立(中間位)に変化・・バンプ動作の時・・・ですね。

アドレスからテイクバックまで骨盤前傾でスイングした場合・・・
切り返し直後に骨盤中間位になります。
左脚が軸になりスイングしていくと、左脚が伸びる動きと共に骨盤は後傾しながら左へ回旋していきますね。
(左1軸、2軸スイング)
一方、右脚に軸を置いて(骨盤が後傾すると)スイングすると、確かにインパクトで体が開きやすくなります。
かなり肩の開きを押さえるように意識しないといけませんね。
(右1軸スイング)
藤田寛之プロのスイングに近いと思います。
藤田選手もアドレスでは骨盤前傾~中間位ですが、スイングが右1軸になってインパクトでの肩の開きがはやく、フェード系のボールを打つ・・・とも考えられますね。

また、アマチュアで右に体重が残ってしまう人は運動連鎖が途切れるからとも考えられます。

なるほど!

また、ポーラクリーマーのスイングが骨盤前傾を保ったままスイングするから起こる・・との考察はさすがですね。

ただ、アドレスで骨盤が後傾している場合はトップの形が変わってくるので同じ考察はできないかも?

いろいろな視点でゴルフスイングを考察すると面白いですね。

こちらこそ、またご指導お願い致します。

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