膝軟骨再生医療

先日、テレビで膝の軟骨の再生とその手術についての番組をやっていました。

再生することの無いと言われる軟骨をiPS細胞ではなく、自分自身の軟骨と滑膜(関節包の内側)を採取して培養し、再び自分の膝に移植して再生させる・・・というものです。

日本の医療技術のすごさを感じました。

それはそうとして、ここで問題点が3つ

一つは多くの軟骨の再生をうたっている健康食品の問題です。
グルコサミンやコンドロイチンをいくら飲み続けても軟骨は再生されません
その事実がわかっていても、「ここまで市場が拡大してしまっては後には引けない」という業者さん側の事情もあるのでしょう。
賢い消費者になることも必要ですね。

二つめは整形外科で行う膝関節へのヒアルロン酸注射です。
「ギシギシした機械のジョイント部分に油を差す」例えで注射をされますが、人間の体は機械ではありませんから、それですべりがよくなると言うことも疑問です。
また、ヒアルロン酸の注射をうち続けて硝子軟骨や半月板が再生される事もありません
100回以上注射を打ち続けても、症状が変わらなかった患者さんを知っています。
今年6月、米国整形外科学会では「変形性膝関節症」の治療に「ヒアルロン酸関節内注射」は推奨しないとされました。
この事の意味は非常に大きいですね。

三つめは膝の軟骨が再生されようが、直接的に「膝の軟骨の減り」が膝の痛みの原因ではないという事実です。
膝の軟骨とその下にある骨組織にも痛みを感じる「痛覚神経」は存在しません

「痛覚神経」が無いと言うことは、「軟骨や骨同士がこすれあっても痛く感じない」という明らかな事実を示します。
 
膝軟骨の再生についてはすばらしい事だと思いますし、今後も研究を続けていって欲しいと思いますが、軟骨の減りが「膝の痛み」と直結しているのではない事も知っておかなければならないでしょう。


関節軟骨が欠けることで、起こること。

①欠けた軟骨(半月板を含む)の大きなかけらがはさまって関節がスムーズに動かせないことによる滑膜や関節包の痛み
②欠けた小さな軟骨が滑膜を刺激することによる滑膜や関節包の炎症による痛み
③硝子軟骨が欠けた後にできる繊維軟骨はでこぼこな上にすべりが悪く、時にかみ合わせが悪くなりロッキングを起こし、痛みを引き起こす。


大まかにこの3点が挙げられます。

①は手術で早期治療もありですが、まずは保存療法が第一に選択されるべきでしょう。
②は腫れが強い時は、関節内注射で汚れた関節液を吸い上げ炎症を抑えることも早期治療になると思います。(当院でも脹れが強い時には整形を紹介しています)
③は「整復」と言いますが、手技で関節を元に戻す方法が早期治療です。

歩ける程度の痛みであれば、痛みを色々な方法で緩和しつつ、自己治癒力で関節内を掃除する方法が良いのではと考えます。
当院で使用する「アキュスコープ」は炎症と疼痛の緩和に優れた治療器です。
このような治療方法もあることを知って頂きたいと思います。

また、膝関節の場合、内科的疾患、関節包や滑膜の炎症以外に、MPS,鵞足と呼ばれる場所の筋、筋膜や骨膜の炎症、ひざ裏の筋肉のMPS、半月板の外側や靭帯の問題等々を細かく鑑別していかないといけません。

「変形性膝関節症は軟骨の痛み」、またはざっくりと「膝」、骨盤のゆがみ?・・と考えての治療では治るものも治りません。軟骨の再生医療は膝軟骨で悩んでおられる患者さんにとっては朗報の一つでしょう。
しかし、それがオールマイティの治療ではないと思います。

現状の治療方法の見直しも含めて、患者さん、治療者側も様々な治療方法を考えていただくのが良いかと思います。

東大阪 長田 おおにし整骨院


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by s-onisi-seikotuin | 2013-07-20 11:35 | 治療 | Comments(0)  

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