治療手技とFascia(ファシア)

最近はあちこちに「ほぐし屋」さんが増えました
ストレスの多い現代人は、リラクゼーションを求めているのでしょうね。


しかし、国家資格「あんま」の資格を持ってする「マッサージ」は「ほぐし」とは違います
「あんま」「マッサージ」は治療目的の手技で、私の同期生にも資格者はおられ、痛みに対して効果的な治療をされています。
その先生は手技にこだわり、手技の限界を超えようと日々努力されています。
お話を聞いていると、Fascia(ファシア)の癒着にアプローチされているようです。
今後も治療手技を極めて欲しいと思っています。

整骨院で行われる手技も基本的に「治療手技」であって「ほぐし手技」ではありません

最近、新しいスタッフが入り、手技の基本から教える事になりました。
手技を伝えるのは難しい作業です。
同じ基本を教えても、人によって少しずつ手の大きさや形、圧やリズムなどが違うので、私と全く同じ手技にはなりません。
ただ、基本を押さえてさえいれば「治療手技」をマスターすることは可能です。

ざっと挙げるだけでも

「治療手技」として

「整復手技」「腫脹、血流改善手技」「筋緊張を取る手技」「ファシアの癒着を取る手技」「全身のバランスを調整する手技」「関節モビライゼーション」「骨盤矯正手技」

「トレーナー的手技」として

「筋緊張を含め、リラックスさせる手技」「運動前のパフォーマンスを上げる手技」「他動ストレッチ」
・・・などがあります。

当然、目的と理論、施術の方針によってそれらを使い分ける必要があります。


では、「ほぐし手技」と「治療手技」の最大の違いは何でしょうか?

「ほぐし手技」は「時間」がキーワードです。

「何分間でいくら?」なんですが、目的は「リラクゼーション」にあります。
60分間横になって、人に体を触ってもらうことで「気持ちよさ」や「疲れによる筋緊張の緩和」が得られます。
途中で寝てしまう人もいるかと思いますが、「副交感神経優位」状態も得られます。
60分をかけて全身、または希望する部位の筋肉をまんべんなく均等にほぐしていくことで「リラクゼーション」と「血流改善」が可能です。
スポーツ後の「筋肉の疲れ」や仕事などの「ストレス」による筋緊張を改善するには良いと思います。(上手な人がやれば・・・の話ですが)

では「治療手技」と何が一番違うのでしょうか?

「治療手技」は「痛みを取る」「運動機能を正常化する」を目的に行われる手技だということです。

たとえば、「痛み」を発生させている「トリガーポイント」を探し出し、その部位の筋、筋膜、骨膜、腱、軟部組織等の癒着を取る事で、緊張を緩和し血流や体液循環を促進させる
それが、トリガーポイントを正常化させ、結果的に「痛みを取る」ことにつながるのです。

トリガーポイント、または痛みの原因箇所を探し出すのは大切な手技の役目です。
これには知識や経験も必要になってきます。

痛む所も痛まない所も均等に手技をしていくのではなく「ここ」という場所に、的確で正しい圧、正しい方法で手技をしていかないと、癒着はがしや痛みの改善にはつながりません
身体全体のバランスをチェックすると同時に、痛みの原因箇所を探し、改善するポイント治療が必要です。

そこが治療手技の「真髄」だと思います。

「運動機能を正常化させる」ことも目的です。
骨折や脱臼、捻挫の整復はもちろん、「レントゲン上では解らない微細な関節のズレ」の整復も大切な手技になります。

「レントゲン上では解らない微細な関節のズレ」は以前にもブログにアップしました。
変形性膝関節症の方が、腫れもないのに体重をかけると強く痛むような症状に多くみられます。
体重を支える足根骨の関節にも多くみられ、「体重をかけると、足が痛むんです」という患者さんは要チェックです。

もしかすると、私の言う「ズレ」はファシアと呼ばれるもののズレかもしれません
どちらにしてもレントゲンやMRIでは判断できないものですが、現実にそんな症状が存在するのは間違いありません。

これらの手技は、解剖学、機能解剖学、生理学等を知っていないと逆に組織の悪化を招くこともあるので慎重に行わなくてはなりません。

柔道整復師の持つ最大の武器はこの「治療手技」です。
患者さんの痛みを探るために「画像診断」ではなく、直にその部位を触ってこそ、患者さんとの距離も縮まり、真の主訴にたどり着けるのだと思います


昨夜、専門学校時代の同級生4人で久しぶりに会いました。

「患者さんが1日に何人来てる?」なんて話題はいっさい出ません。

自分の施術の手から漏れる患者さんや難治性症状についての悩みを話し合う場になりました。
「これさえやれば全ての症状が良くなる」なんて治療メニューは存在しませんし、それを謳っている「手技療法」等は信頼できません。
治療家は常に自分の施術に悩んでいて当然で、悩まなくなったらおしまいだと思います。
それを当然と思っている4人が「こんな症状もあんな症状も治せます」という自慢話ではなく、毎日患者さんの症状と格闘していく中での「真の悩み」を討論し、意見を述べ合うとても濃い内容のものでした
それぞれが真剣に患者さんや治療に向き合っている様子がうかがえて、ラストオーダーまでがあっという間でした。

マグロの切り身を前に「これがファシアで、ここをずらすんや・・」なんて話で熱狂する仲間なんてそうはいません。
良い仲間に恵まれたと改めて感動した一日でした。

整骨院も捨てたものではないなあ・・・です。
「たかが整骨院、されど整骨院」は確かに存在します

現在、Fascia「ファシア」についての理解は治療家の間でもごく限られた人にしか知られていません
しかし、これを知ると多くの「治療の謎」「症状の謎」が理解できるようになります。
今後、MPS治療と合わせて、多くの治療家のスタンダードになることを期待します。
以下、それに関する二つの情報を挙げておきます。
多くの治療家に見て頂きたい内容です。

東大阪 長田 おおにし整骨院

Myorub概論
Fascia research 日本語字幕版

東大阪 長田 おおにし整骨院ホームページ へ

MPS研究会へ
整骨院へ行こう推進委員会ホームページへ






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コメント頂いた かずくんさんのブログ

by s-onisi-seikotuin | 2014-06-25 14:43 | 治療 | Comments(2)  

Commented by かずくん at 2014-06-30 21:00 x
お疲れさまです!!

色々と活動されていらっしゃるようで、頭が下がります(汗)。
整骨院には数多く通っていますが、自分の身体が改善されたかどうかは別にして、皆様の誠意には感謝の気持ちが一杯です。痛みを訴え来所するわけですから、本当に大変なお仕事と思います。

あいはら先生に至っては熱心に対応頂き、それが改善に向かっているので素晴らしい先生と巡りあったと思います。

ゴルフの事は分からないようですが、私の言葉と動きをシッカリ観察しご対応頂いています。これがプロの仕事なんですね。

今は慢性痛の改善も含め、ゴルフスイングに相応しい動きが出来るよう「ファイナルステージ」的な施術を行って頂いています。
こんな面倒な患者で申し訳ないようです(汗)。

おおにし先生が埼玉にいたら、大変でしたね(笑)。
でも、もう一度見てもらいたいです!!
Commented by s-onisi-seikotuin at 2014-06-30 22:58
かずくんさん、コメントありがとうございます!

あいはら先生という熱心な先生に巡り会ってよかったですね。
わざわざ、名古屋に続いて、大阪にまでアキュスコープ勉強会に来られる先生ですから・・・理解できます。

私たちとも話が合う「治療家」だと思います。

この仕事をしていて感じるのは、まだまだ人間の身体、特に「筋、骨格系」の事は「真理の入り口にしか、たどり着いていない」という事です。
謎だらけの分野です。
西洋医学が発達し、一見、解明できたように見えて、まだまだ、真理の入り口付近にしかたどり着いてないのが現状です。

あまた、民間療法を含めて沢山の治療が存在し、効くものもあれば、効かないものもある。
また、同じ治療をしても、効く人もいれば、効かない人もいる。
だから、治療に対する思いの強い治療家ほど悩むんですよ。
「この治療を受ければ何でも治る」ではなく、謙虚に「この治療を一度受けてみて下さい。治る確率が高くなります」と謳うべきだと思います。
また、Fascia「ファシア」の理解がこれからの治療のカギとなると思いブログアップしました。
次回は「ゴルフネタ」です。

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