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ファシア内でのゲルのゾル化の考察

GWはゴルフの練習のしすぎで、動くとあちこちが痛みます。

そして、夜は「ファシア内にあるエコーで映る白い部分の解放」について勉強でした。

ゲルのゾル化と手技療法等の効果について
・・・流動性のある状態「ゾル」 固体化した「ゲル」

ファシア内にあるエコーで映る白い部分はゲル状になった組織と考えられます。
皮膚上から触って少し堅くなった部分です。

ある本からの抜粋を交えてですが・・・

ファシアは主にコラーゲン組織からなる組織で、基質となる物質の中に繊維が並んでいる。
基質の大部分は、半液状ゲルで構成されている。
コラーゲン組織は形のある物質であり、変化しにくい。
したがってファシアの速やかな可塑性には基質となる物質の関与があると考えられる。


ゲル状になった組織は「保存的排泄」・・・体外へ排出されるべき物質が体内に残ること・・・が起こり、ファシア内での流動性が減少し、「痛み」や「他の組織への動きの連動性の悪化」などが起こるのではないかと推察出来ます。

ここに皮膚上から手技による圧力をかけること等(その他の治療も含む)で「ゲルのゾル化」が起こり組織に変化が起こります。

結合組織中のゲルが有害物質(発痛物質等)を取り込む過程には二つあり、

①力学的プロセス(線維の間の細い溝に入り込む)

②電気的プロセス(ゲルの表面は強い陰極に帯電している)

この二つの要素によってゲル化した組織が変化しにくくなっていると考えられます。


①に対しては→ファシアに圧力が加わることで取り込まれていた物質が放出され、間質液中に流れ、リンパや血液によって運ばれ、体外へと排出される。
②に対しては→ファシアに圧力がかかることで圧電気と流動電位が生じ、周囲の細胞が刺激される。

となっています。

すなわち、組織へのストレスや不使用、あるいは運動不足によってゲル状基質が脱水状態になり、収縮や硬直を引き起こしても、圧力を加えることによって組織をゾル化、水分を取り戻すことができる。
・・・ということです。
(結合組織のゲル状基質は、電気や熱などのエネルギーによってもゾル化する。
圧力の加わった部位では、間質液とゲル状基質が流動化する


また、電気的プロセスを考えると、電気治療もゾルのゲル化に関わっているでしょう。

そして・・・
組織に加えた圧力を解放すると、組織は再びゲル化するがその間に組織中の水分やエネルギー伝導度、可動性に変化が起きる。
組織の基質にはより多くの空洞が出来て、栄養素、酸素、老廃物、酵素などが自由に通過出来るようになる。→「代謝性再生」に必要な物質も組織に入りやすくなる

・・・等がファシア内で起こり、手技、電気治療、生食注射、鍼灸などの治療で症状の改善がみられると考えられます。

また、ファシアの連続性を考えると痛みの出ている局所治療だけでなく、ファシアの流れを考えた関連する場所の治療も大切だと思います。

ファシアについては・・・

イギリス在住の倉野先生が、ご自身のブログ(鍼灸マッサージ師のためのファシア考察)で「ファシア」をもっと深く、専門的に解説されていますので、詳しく知りたい方はそちらで勉強してみて下さい。
鍼灸マッサージ師のためのファシア考察

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by s-onisi-seikotuin | 2015-05-06 20:16 | 治療 | Comments(0)  

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